カポーティ
Capote 2006年 米・カナダ ベネット・ミラー監督
新書版の映画。
★★★
フィリップ・シーモア・ホフマンが粘着質に感じる。演じている役柄のスタイルという意味ではなくて、登場人物としての押し出し方が、『誘う女』の二コール・キッドマンと重なる。ペリー・スミス役は、演じるのにとても力が要っただろうと思わされる。
離乳食を酒で割って食すのが、「乳児性と老人性の同居」ということなのだろうとは思う。自己愛とか、疾しさといったものを、読めるようには作られている。朗読会の聴衆を映したシーンは、自分が今まで観た映画の中でもっとも醜悪なシーンかもしれない。どんな悪質とされるプロパガンダ映画であっても、恐怖それ自体は、神聖なものであったのだということに気づく。
作り手が恐れているものというとき、それはおそらく、自分が「わかっていない」人間と思われたくない、という点にかかっている。『オール・ザ・キングスメン』(2006)にも、おそらく「主人公の苦悩や葛藤、アンビバレンス」とかいったものが、それなりに配置・提示されているのだろうと思う。
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