監督・ばんざい
2007年 日 北野武監督
胴上げ。
★
前作の時期と合わせてのことだけれど、ここでいわれる「映画、映画」というのが、一昔二昔前の「マルチメディア」を彷彿させる。『dolls』で登場した黄色の乗用車のイメージが反復されたりするけれど、そのオリジナルも含めて、北野監督の創意(発案という意味ではない)によるものなのか、個人的にはわからない。
見ていて…、伝わってくる気配り。自分がいちばん「好き勝手なこと」をやっているように見せて…。知りたくない。伊丹十三は、自分の撮りたい作品を「撮りたいように撮っていた」監督だった。
江守徹のシーンを非難できない。「笑うな」。「笑うな」。「深遠な」時代に似つかわしい。清聴に代わる、沈黙は金。死んでいるのは芸ではなく、笑うということの意味のほうだ。
作品が破綻しない理由はなんとなくわかる。ラストの「先生、どうですか?」という台詞が、淀川長治の声に聞こえてドキッとした。
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